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所有艇のソレイユ・ルボン26ftは製造後30年ほど経ちますが、ハルは頑強そのものです。ヨットは大きなプラモデル、内外装とも日々改造、余暇に?セーリングとクルージングを…

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7月9日 ドジャー作成のまとめ

ドジャー作成まとめ

今回のドジャーは4ヶ月程度の期間に、実働で1ヶ月程度掛かりました。実験的な要素が多く、余り一般的で無い事も多いと思いますが、少しでも参考になればと思い、まとめをすることにします。大分長文になってしまいましたが、材料選び、進め方、注意点などがお役に立てば幸いです。

I.アルミパイプフレームとフィッティング(ステンレス)
1.パイプフレーム
パイプフレームを作るためには図面を引くと良いです。最低でも平面図と側面図を作りましょう。
フレーム作りに一番必要なのは側面図と平面図から作る平面投影図です。

側面図ではフレームが斜めになっていて、平面図の長さはそれよりも短くなっていますよね。このままの形で作ると寸足らずや、先細りのフレームが出来上がってしまいます。平面投影図はフレームを地面に置いた形で、側面図の長さとその位置の平面図の幅を元にして作ります。

平面図と側面図が出来たらパイプフレームの平面投影図をつくります。側面図のフレームの根元に水平に線を引いて等間隔に区切り、その位置のフレームの長さを書き写します。同じ水平線の目盛りを平面図に引き側面図から取ったのと同じ位置の幅を書き写します。

この時に正面図があるとイメージした形と合っているか確認できます。
もし横幅が違っているなら正面図を補正して見てください。出来上がりのイメージが分かります。

私は側面図を正として作成しました。この方がフレームの曲げを一方向に出来るからです。もし正面図にも合わせたなら、フレームの曲げは二方向となり、少し厄介になります。つまりグニャグニャに曲げると言う事になるのです。

出来た位置と縦横の長さから新しく投影図をつくります。ここで出来た形が実際に作るフレームの形です。

見た目は平面図と少し違いますが、長さは側面図と同じはずです。

この図面の線の適当な位置に漸近線を引いて、位置と角度を取るとパイプを曲げる位置と角度になります。位置を沢山取れば曲線に限りなく近くなりますが、最終的に出来上がるとパイプフレームは隠れてしまうので、8〜10個位で良いと思います。

後はこの位置と角度を信じてパイプを曲げるだけです。私はてこの原理を使ったパイプベンダーを使っているのでこの方法です。パイプを押し曲げる形のベンダーでも同じようにしてやれば良いと思います。

実際に曲げたフレームはほぼ図面どうりでした。見た目は少し角が目立ちますが、実際に幌を被せた状態では丸く見えるので実用上十分です。

アルミパイプの購入先は東急ハンズで、長尺ものでもオーダーできます。


2.フィッティング(パイプ同士の接続)
アルミ製のフィッティング金具があると良いのですが、簡単に手に入るのはステンレス製の物しかありません。アルミとステンレスが接触すると僅かな電流が流れるので接触部に電食が起きます。これを防ぎたい場合にはグリスなどを塗って置くと良いでしょう。
今回はビミニトップの時と同じく、5年くらい持ってくれれば良いので何も対策をしていません。

色々な金具が有るのでカタログを見ながら選択しましょう。

今回はフレームの前後をつなぐためにT型の金具を使いました。内径が22mmのものですが、実際は少し広いようです。フレームの曲がった部分に通るか不安もあったのですが、広めが幸いして、何とか曲線部にも取り付けできました。一部はハンマーで叩き込みましたが…

今回作成したドジャーはフレームだけでも自立するように作ってあります。そのため、フロントガラスの左右に支えを入れて見ました。これだけで前後左右が固定されて自立するようになります。

三角形の長さが変わらなければ角度が固定されると言う理屈です。

パイプフレームを作る間は狭い居間兼寝室の作業場所が工具や部品の置き場で一杯です。こんな環境に耐えられる神経も必要ですね。

フィッティングの購入先は児島です。


II.幌
殆どのドジャーの幌は視界が狭くなっていますよね。広い視界と明るい方が良いと思い、出来るだけ幌の面積を少なくして、ガラス(アクリル)を多くしました。
1.型
型は2回取っています。最初はブルーシートで大体の型を取って、半透明の養生シートに移して現物合わせしました。フレームをどんなに正確に作っても左右で形が違ってくるので、型取りは必須です。

養生シートは安くてハサミでもジョキジョキ切れますから、重宝します。この型取りした養生シートも置き場に困っていますけどね…

ブルーシートは百均、養生シートは近くのDIY店です。

2.アクリル
窓の素材を何にするかで大変悩みました。
アクリルは透明度が高く(99%)加工しやすいので最適ですが傷つきやすく割れやすいのが欠点です。

ポリカーボネートは粘りがあり割れにくいのですが紫外線に当たると黄変しますし、透明度が低く(92%)ぼんやりと見通す事になります。耐候性のあるポリカーボネートもありますが、厚さが3mmからなので重くなってしまいます。

悩んだ末、透明度が高いアクリルを使って見ることにしました。
厚みを2mm、フロントガラスだけ3mmにしました。2mm未満だと粘りが不足して割れやすいのではないかと思ったためです。

型に合わせて切ったアクリルの長辺側を持っても粘りがあるので簡単には割れません。ドジャーの窓に使うのに強度的は十分かと思います。

アクリルは曲げて曲面にすることで更に強度が出ます。全ての窓には何らかの曲げがしてあります。それなりの強度が得られたので、フロントガラスは2mmでも十分だったかと思います。

今回のようにほぼ全面アクリルにすると重さが気になるところですね。出来上がった幌と一緒に持つと15kg位あります。私の場合はクルージング艇なので気にしないようにしていますが…

上面とフラップの窓にはスモーク板を使いました。色はブルーとブラウンの単一色しか無いので、色を変えたり、グラデーションを入れたい場合はアクリル用の半透明スプレーを使うと良いです。
プラモデルに使うのと同じ水性塗料ですが、乾くと耐水性になります。

アクリルは140度前後に熱すると曲げられますが、広い面積を満遍なく温めるのは大変難しいです。色々試して見ましたが、目下のところヒートガンが手頃で良いと思います。それでも部分的に曲げて行くことになるので、それなりの慣れが必要です。

小物なら電子レンジやトースター、オーブンレンジ、ホットプレートなどアクリル全体が入るもので一様な温度で加熱すれば曲げるのも簡単です。

アクリルの調達先は「ばざいや」です。


3.生地の幌
ファブリックには帆布を使いました。耐紫外線や耐摩耗性を考えると、染めていない生地を使うのが一番という経験則があるからです。

帆布は元々セールに使われていましたが、今ではバッグが主な用途らしいです。余り布で工具入れも作って見ました。

ビミニトップに緑色の帆布を使った時は半年位で退色しました。バックステーと擦れて穴も空きましたが、全体的には一般的なサンブレラよりも耐久性があるのと、値段が半分位なので幌の材料には最適と思っています。色は簡単に褪せてしまうので、UVケアのスプレーを掛けておけば少しは効果があるかもしれません。

養生シートで作った型に合わせて幌の紙型を作り縫製します。どの様に分割したら良いかで悩みましたが、エイヤで分けました。結果的には合わせ目が角に来ないように分けると良いようです。エイヤの結果、角に合わせ目が集中してしまい、縫うのが大変でした。

最初は裏表の二枚合わせにするつもりでしたが、表裏の伸縮が違ってくるとシワになるし、アクリルと布の縫い合わせが大変なので表生地だけにしてあります。もし二枚合わせにするなら角合わせにならないように分割すると良いと思います。

帆布は硬くて家庭用ミシンで縫うのに苦労しますが、針を多めに用意すれば何とか縫えます。厚い所を無理やり縫うと簡単に曲がってしまい、使い物にならなくなりますから…私は10本の針を曲げてしまいました。

幌同士の繋ぎにはファスナーを使っています。専用の物は入手困難なので、YKKのビスロンという製品の5号(ジャンパーの前身頃に良く使われている番手です)をネットで購入しました。


16号の先の尖った針に20番の糸を使いました。生地は9号の帆布を10m、木下資材で購入。針は近所の裁縫用品店、糸は2000mのものをネットで購入しました。

4.アクリルと生地の縫い合わせ
2mm厚のアクリルにミシンを使うとミシンが壊れるか、アクリルが割れます。これだけは手で縫うしかありません。

今回はボール盤でアクリルに穴を空けておき、手縫いで縫合しました。

手持ちのドリルは簡単に滑るし、ポンチで先行穴を空けるとアクリルが割れやすいのでお勧め出来ません。もし使うなら垂直ガイドなどポンチを使わなくても良いものが要ります。

アクリルに7mmおきに2.3mmの穴を空け、アクリル側から針を通し、表生地側からも針を通すという二本針で糸は二重にして縫い合わせました。

言葉で言うと簡単ですが、この工程が一番時間が掛かりました。ちょっとした神経戦と言うところでしょうか。

裏側(アクリル側)から出した糸を目掛けて表の針を通さないとアクリルに当たり裏まで針が通りません。表側にベルクロが縫ってある所などは穴を探すのに一苦労したりします。穴が見つからない時は千枚通しでアクリル側から穴を空けるとイライラせずに進められます。

縫合糸は20番のジーンズステッチで近所の裁縫用品店で購入。


III.取付
ベルクロテープを使って幌をパイプフレームに固定しました。フレーム側に接着剤付きのメス、幌側に接着剤なしのオスを使っています。

フレーム側はハードトップなどの隙間に入れる場合は半周、解放された場所に着ける場合はパイプに巻いて使いました。

ベルクロの保持力は合わせ面に対して水平方向に力が掛かる場合は強力で、ビミニトップに使った時は台風でも剥がれませんでした。

殆どのオスの部分はパイプ側に巻き付く様にしてあります。こうして置くと、余程の力が加わらないと剥がれないです。多分、アクリルが割れる方が先でしょう。

幌の裾はスナップでハルに止めました。

ベルクロテープはネットでロール単位に購入、スナップは児島で購入です。

IV.ドジャー作成のメリット、デメリット
今回のドジャー作成は未体験の事が多くて、実験的な要素が沢山あります。

その一つが伸縮性。アクリルは殆ど伸縮しませんが、幌に使った帆布は5〜10%位伸び縮みします。その割に余裕は殆ど取ってありません。アクリルの方が生地の収縮に対して強いと思ったからです。
半年から一年後には良し悪しが分かる筈です。

また、アクルルは透明度が高いのですが、海の上で長い時間紫外線に晒されても大丈夫かという疑問もあります。

全て時間が経たないと分かりませんよね。物を作るというのはそんな事も楽しみの内なのです。

V. ドジャーの効果
ドジャーがあると強風や波に対して強くなります。極端に言えば前からの風は感じなくなります。
セルフタッキングジブをテストする時、元々風が強くて面積の小さいジブにしたのですが、ドジャーの陰から頭を出さない限りそんなに強い風とは思わないほどでした。

波もそうですが、スプレーを浴びないと言うのがこんなに楽しいセーリングになるとは思いませんでした。

でも、過信は禁物で、早目の縮帆に必要な風の感覚が薄れたのですから、波やヒールなど他の知覚に頼るのも忘れないようにしないとですよね。


ドジャーに関する記事はこれで完結です。
実験的な事柄は日々の記事の中でご紹介して行きます。


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